おもしろかった!
林真理子さんの小説って、初めて読んだのですが、社会や人に対して鋭い視点があり、かつ表現力も的を得ていて、おもしろく、なかなかの作家さんなんだなーと、思いました。
今まで、エッセイストというイメージが強かったのですが、そういえば直木賞とか取ってらっしゃっるんですものね。
これから、もっと読んでみたいと思いました。
私は、祖母の台詞にいちいち、心を打たれました。
例えば、翔に向かっていう台詞
「まあ、なんて覇気がないんだろう。」
「覇気は覇気よ。意気込みよ。やる気よ。いろんな好奇心よ。人間にとっていちばんたいせつなものよ。・・・」
人間、寄り道することだってある。人間がね、みんなまっすぐに目的地に行く、なんてはずないものね。
だけど、どこかで変わらなきゃね。とにかく、行動を起こしなさい。そのためにこのお金を使いなさい、って私は言ってるの。
「人のやること見て、励ますなんて、マラソンの沿道で旗振ってるだけの人だよ。自分で走らなきゃ、何の価値もない。」 これ、最高!!!気に入った {%拍手webry%}
「おばあちゃんはね、医者の奥さんでちやほやされてたのが、いきなりアパート暮らしになって、それでパンツ売って必死で貯めたのよ。お金ってそういうもんなのよッ・あんたもね、だから借金する時は、人生差し出す覚悟しな」
そして、翔の父の台詞
「あのこは奮起するという事を一生知らずにこのままいくだろう」と。
娘の可奈については
「人生っていうのもまんざらじゃない、っていう気がしてね。可奈を見るたびにいつも思ってた。そんなに世の中や男を甘くみるんじゃないぞって。だけど、いつかしっぺが返しが来ると思ってたから、こんな感じできたのかなあって、なんだか・・・・。
別に不幸っていうわけじゃない。もうそろそろ味わわなきゃいけない、最初の試練っていうやつだよ。」
下流とは
「奮起」して「努力」をしない人間がたどりつくところと思う。
少々恵まれた家庭に育ち、そこそこの学歴と小賢しい世知にたけて、玉の輿にのったとしても、いつかしっぺ返しがくるものだ。
小説の中の球緒のように、楽な道があるのに、わざわざ苦しい道を選び、愉しい時間を犠牲にして勉強する。
こういう姿勢と努力が報われない筈はない。と、思わせてくれた。
必死に努力している人間には、応援してやろうといいう人達が自然に近寄ってきて、人脈も変わるものだ。
朱に染まれば、朱くなるのは本当だと思う。
子供や孫に期待して、幸せに預かりたいという母親も、いつかは下流におちる。なぜなら、自分ががんばらず、沿道で旗を振ってるだけのひとだからだ。自分が頑張らなければいけない。
私は○○年生きてきて、何度か試練もあって下流に落ちかけるような事もあったけれど、でも、それなりに頑張ってきたと思うし、現在もパワーが落ちたとは言え頑張っていると思う。 (お金は無いけど・・{%トホホwebry%})
そう、人間は一生頑張り続けるもの。それが、人生なのだとこの本、林真理子氏は教えてくれた。