60歳からの人生(旅)ノート

Appleと猫と米国株が好き

宮部みゆき「火車」

いや~昨日から、一気に読みました。 私はあらすじを要約して書くのは苦手なので、興味のある方はコチラを参照してください。

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10年前に書かれたものとは思えない、現代社会に起こっている様々な事件を通して伝わってくる人々の哀しさ、孤独を感じました。殊に生真面目で、気の小さい人達にこの社会はなんと冷酷な事かと。 「お金も無い、学歴もない。とりたてて能力もない。顔だってそれだけで食べていけるほど綺麗じゃない。三流以下の会社でシコシコ事務してる。そういう人間が心の中にテレビや小説や雑誌で見たり聞いたりするようなリッチな暮らしを思い描くわけですよ。昔はね、夢みてるだけで終わってた。さもなきゃなんとしても夢を叶えるぞって頑張った。それで実際に出世した人もいたでしょうし、悪い道へ入って手が後ろに回った人もいるでしょうよ。 でも、昔は話が簡単だったのよ。方法はどうあれ、自力で夢をかなえるか、現状で諦めるか。  だけど、今は違うじゃない。夢は叶えることができない。さりとてあきらめるのは難しい。 だから夢がかなったような気分になる。そういう気分にひたる。そのための方法が今は色々あるのよ。買い物とか旅行とお金を使う方法クレジットやサラ金が。」 (本文p412より) ただ幸せになりたかった。それもちょっとした人並みの幸せ。 多くの人は今の自分より、もう一段上の幸せを求めて頑張り続けるのかも知れない。 上昇志向というか、欲というか。しかし、それに疲れてしまったり、病気になったりして、本人の責任じゃないところの理由で脱落していく人は一杯いるのだと。 読みながら何度か熱いものがこみ上げてきました。 クレジットカードのキャッシングして支払いに困りサラ金にまで手を出す ・・・・・ そして多重債務者となり、夜逃げしたり、自殺や一家心中などローン地獄に落ちるのは、そういうモノに手を出す当人が悪い。いわゆる自己責任でしょ?と思ってきた。でもこの本を読んでその見方は変わりましたね。 今の日本は「自己責任」と言い、切り捨ててはいけない問題が山積みなのだ。。 むしろ、国として「無責任国家」だと思う。構造をかえないと。 国は国民の為に在るべきで、国の為に国民が在るのではない。 <本日の猫写真

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明日の糧を心配せずに、アタシのベッドでゴロゴロ甘えていられるこの幸せモノ 生まれ変わったら、わたしゃ、{%ネコwebry%}ドンペーになりたいよ