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団塊世代に人気、減築リフォーム

減築(げんちく)」、聞き慣れない言葉ですが増築の反対ですね
子供が独立した高齢者世帯などで、不要になった部屋を取り除いて住宅の床面積を減らす減築リフォームが注目を集めているようです。

以下、
(2009年6月9日 読売新聞より)

――そもそも減築とはどういうものなのでしょうか。「三井のリフォーム住生活研究所」所長の西田恭子さんにお聞きします。

 西田さん 「我々の研究所では、減築とは『建物の建築面積や床面積を減らして住環境の改善を図るリフォーム』と定義しています。例えば、2階部分を全部取り払ったり、住宅の南半分をなくしたりすることです」

 ――確かに、子どもが家を巣立っていけば、不要な部屋が出てきますが……。でも、わざわざ減築する意味があるんでしょうか?

 西田さん 「『減』というと、マイナス要素が多いと感じるかもしれませんね。でも、減築には日当たりや風通し、耐震性が向上したり、床面積が減ることで掃除が楽になったり、冷暖房費が軽減できたりと様々なメリットがあります。少子高齢化の時代、『大きいことは良いこと』ではなく、家族人数の減少に合わせて小さく暮らす方が快適だ、という考え方です」

 ――なるほど、メリットは確かにあるんですね。実際の施工例はあるのでしょうか。住友林業ホームテック取締役営業部長の岡本光平さん、どうでしょう?

 岡本さん 「2階をすべて取り払ったりした例があります。東京の郊外で、6DKで床面積が124平方メートルだった2階建て住宅の2階を取り、3DKで92平方メートルの平屋にしました。耐震補強工事も合わせて行い、減築後は現行の建築基準法の耐震基準を満たすようになりました。工事期間は約100日です。このような大規模工事では、住みながらの実施は難しいので、通常は仮住まいが必要になります」

 ――減築する際に、高齢者が気をつけるべきことはどんな点でしょうか。高齢者住環境研究所代表取締役の溝口千恵子さんにお聞きします。

 溝口さん 「まず工事中の問題があります。工事で一時的に引っ越さなくてはならない場合が多いんですが、高齢者にはその手間暇がストレスになるんです。高齢になって生活空間を狭くするだけなら、使わない部屋はそのままにしておいて使う所だけをリフォームするという考え方もあるわけです」

 ――減築すると決めた人が気をつけるべきことは?

 溝口さん 「年を取って体が衰えても困らないように、バリアフリー化しておくことですね。段差をなくしたり、通路の幅を広くしたり。後で建物の構造を変えるとなると大改造になりますが、要支援や要介護に認定された人が住宅改修を行う場合でも、介護保険からは最高で18万円しか支給されないんです」

 ―― 一度にすませてしまう方が得なんですね。(経済部 福森誠)