映画 「ユナイテッド93便」
ユナイテッド93便、観てきた。
2001年9月11日、世界を震撼させたアメリカの同時多発テロ。
ハイジャックされた旅客機4機のうち2機はWTC(ワールド・トレード・センター)に激突し、1機はペンタゴンへ。
そしてホワイトハウス激突を目標としていたのがユナイテッド93便だった。
40名の乗客乗員を乗せ、サンフランシスコに向けて飛び立ったUA93便。
次々と主要施設に自爆攻撃を行なう中、唯一、テロの目的を阻止した機内の状況を再現したドラマだ。
乗客達は、携帯電話で家族と連絡を取ることで、自分達も自爆テロ犯もろともどこかへ激突する運命を知っている。
その極限の恐怖の中で、果敢に犯人に向かってゆくわけで、その姿はまさに「戦うアメリカ人」として私には写った。
この映画の素晴らしいところは、単に乗客達の勇気や行動を賛美して英雄に仕立てようとするのではなく、、テロリスト側の立場、恐怖と緊張もしっかり描かれているところ。
冒頭のシーンは緊張した犯人のホテルの部屋から始まる。
薄暗いホテルの部屋で床に額をこすりつけ、必死に神に祈りを捧げる姿に、
彼らにも愛する家族があり、彼らの信ずるイスラムの神と実行犯としての恐怖があるのだと思った。
自由を守る為、民主主義を守る為、正義の為に戦うアメリカ
イスラム原理主義の為にテロも已む無しとするテロリストの論理。
一般市民を襲うテロは決して許されるものではない。しかし、大量破壊兵器があると
こじつけてイラクを攻撃するアメリカは、テロと大差ないのではないか?
キリスト教対イスラム原理主義。
どこまでいっても平行線でしかない。一神教を信ずる人たちの不幸かも知れない。
人種間暴力の連鎖を止めるには?
自分と違う文化や宗教を理解する事は出来なくても、せめて認めてあげる姿勢が必要なのだ。