60歳からの人生(旅)ノート

Appleと猫と米国株が好き

終わった人 感想

 

終わった人

終わった人

 

 

内館牧子
最高におもしろかった‼︎。還暦前後の人には男女問わずオススメの本。

文章が上手いし、言葉の使い方が簡潔で、適切だから、読んでいてグイグイ引き込まれていった。こんなに一気に読み進めて、読後感、この本読んで良かった〜としみじみ思った本は久しぶりだ。


「散り際千金」という言葉。何よりタイトルの「終わった人」という言葉。娘の道子の台詞の数々にはスパッと真理を突いていて、巧いなあ〜。ところどころ唸ってしまった。
多分、内館さんの考え方、言いたいことを道子に言わせてるのだろうと思った。
内館さんの考え方、感性は私にあっていると思った。

時折、涙ぐんでしまった箇所もある。
サケは4年の歳月をかけて、大海を泳ぎまわり、産卵のために傷だらけになりながら川を登り、産卵を終えて力尽き死ぬ。
ああ、人間の一生も同じだなあと思った。
エリートもそうでない人も、恵まれたひともそうでない人も、人生は色々だが、着地点は一緒だよ。と。確かに、人の一生は、おしなべてみれば大差ないのかも知れない。
若くして、成功者になったIT企業社長の鈴木は、幼い子と妻を残して、30代の若さで突然死してしまう。ここには様々な立場の人が出てくるが、内館さんはほんとうに人間をよく観ているし、わかっているなあと思った。
さあ〜、次は何読もう〜。私の内館牧子マイブームは、しばらく止みそうにない。